臨床面での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 20:25 UTC 版)
「ウィスコンシンカード分類課題」の記事における「臨床面での利用」の解説
臨床的には、この課題は神経心理学者や臨床心理学者、神経学者、精神医学者の間で、後天性脳損傷や神経変性疾患、統合失調症のような精神疾患の患者に対して広く用いられている。この課題は前頭葉の機能障害に対して感受性をもつとされていることから、実行機能 (executive function) の計測法として有効であるとされている。それは例えば、戦略的な計画、系統的探索、環境からのフィードバックを利用した認知セットのシフト、目標の達成に向けた行動の方向付けや衝動的な応答の抑制のような"前頭葉"機能である。この課題は 6 歳半から 89 歳までの幅広い年齢の患者に用いられている。 この課題を正しく遂行するには注意やワーキングメモリ、視覚処理などの様々な認知機能が正常であることが要求されるのだが、この課題は"前頭葉"検査とルーズに呼ばれている。それは前頭葉に損傷のある患者の多くは課題の成績が悪いためである。特に前頭葉背外側部に損傷のある患者は対照群に比べて保続的な誤答が多いことが知られている。最近のウィスコンシンカード分類課題に関する因子分析によりこのような保続的な誤答の数は損傷を評価する上で最も良い計測指標であることが分かっている。このような障害は、より正確には"実行機能障害" (executive dysfunction) と呼ばれる。.
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