腕の再生と奇形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 03:49 UTC 版)
頭足類の腕は捕食や移動、自切、交接や競争に加え、攻撃や共食いにより傷つくことがあり、再生能力を持つ。このことはアリストテレスのころから知られている。頭足類は体の損傷に応答して再生を始めるが、腕が損傷すると遊泳、捕食、威嚇行動などの機能に支障を来すため、腕の再生は特に重要である。 傷口の治癒の後、腕の再生が始まり、損傷後3日で既に傷口に小さな瘤が見られるようになる。これは後に伸長し、小さな突起を形成する。最初のよく識別できる構造は損傷後17日で現れ、鉤状をなす。組織学的な分析によると、未分化な細胞の非常に薄い層が最初の観察できる瘤を形成する。その後、よりはっきりとした、急激に増殖する「芽体 (blastema)」が瀰漫性の血管の一部とともに腕の先端に現れる。そしてこの構造が消えると、組織は分化状態に入り、組織形成の過程が始まる。普通50-60日後のそれより後のステージでは、完全な構造が現れ、典型的な腕が回復する。このステージでは、神経と筋肉がともにはっきりと観察され、よく組織されている。
※この「腕の再生と奇形」の解説は、「腕 (頭足類)」の解説の一部です。
「腕の再生と奇形」を含む「腕 (頭足類)」の記事については、「腕 (頭足類)」の概要を参照ください。
- 腕の再生と奇形のページへのリンク