能を作る
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/22 07:42 UTC 版)
「世子六十以後申楽談儀」の記事における「能を作る」の解説
第14条からの3条は作能についての話題である。「能の本を書く事、この道の命なり」(『風姿花伝』)と述べたように、世阿弥は作能を極めて重視している。筆者・元能は、能の作り方を主題とした伝書『三道』を世阿弥から相伝しており、特に作能について世阿弥から教示を受ける機会が多かったと推測されている。第十四条ではその『三道』のまとめとともに、過去の世阿弥自身の作品にも論評が加えられ、改めて世阿弥が応永年間(1394 - 1427年)以降の自作に自信を持っていたことが記される。第15条は構成論も含めた、能の書き方についての注意点。文章上はよい展開に見える曲も実際の演技にそぐうものでなくては意味がない、言葉の余韻を大切にし、文章は簡潔かつ意味を明快にせよ……など、多くの作品を書いた世阿弥らしい実践的な注意が含まれている。第十六条は作能に当たっての心得、そして『三道』に挙げられた作品の作者紹介も含まれ、貴重である。
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