能の子方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 04:19 UTC 版)
能では、少年が扮する役、および、それを演じる少年を、「子方(こかた)」というが、これとは大きく意味の異なるもう一つの語義として、本来は大人が演じるべき大人の役をあえて少年に務めさせるその役、および、それを演じる少年をも、同じく「子方」という。演劇や映画などの分野における「子役」と同じと言えるのは前者のみであり、後者は能に固有の演出法である。子方はシテ方から出るものと決まっており、後者はシテ方を際立たせるための演出法として始まったとも、室町時代の稚児愛好趣味(cf. 少年愛)に由来するとも考えられている。 前者の例としては、『望月』の花若(はなわか)、『善知鳥』の千代童、『烏帽子折(えぼしおり)』や『鞍馬天狗』の牛若丸、『関寺小町』の稚児などがある。後者の例としては、『安宅』と『船弁慶』の源義経、『花筐』の男大迹皇子(皇太子時代の継体天皇)と『草子洗小町』の天皇(継体天皇)、『大仏供養』の源頼朝、『正尊(しょうぞん)』の静御前などがある。
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