能のなかの房前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 02:57 UTC 版)
房前は能楽『海人』の登場人物としても知られる。この能によると、房前大臣は亡き母を訪ねて讃岐国、志度の浦を訪れる。そこで聞かされたのは父不比等と母である海女の物語。 「13年前淡海公(不比等のこと)はある目的をもってこの地にきた。そこで一人の海女とであい、子を儲けた。淡海公は海女に この地にきた目的は、唐の高宗から下賜された宝物『面向不背の珠(めんこうふはいのたま)』を興福寺に届ける際、志度湾沖で嵐にあい紛失し、それを探しだすことだと語る。海女はその宝物を竜宮から取り戻せば、身分の低い自分のようなものが生んだ子でも正式な息子として認めてくれるかと問い、淡海公の確約を得て海に飛び込む。そして竜宮へ赴き、自分の乳の下をかき切って体内に珠を隠し海上へ辿り着く。珠は見事に淡海公の手に取り戻されたが、海女は傷がもとで亡くなってしまう。淡海公は約束通り房前を正式な息子として都に連れ帰った」という物語である。 この話を聞いた房前は母の菩提を弔い、法華経の功徳で母は成仏したという。
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