聴覚口話法の再評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 18:45 UTC 版)
京都府立聾学校のろう者教員である脇中は、自身の博士論文においてBICS(Basic Interpersonal Communicative Skills:基礎的な対人コミュニケーション技術)とCALP(Cognitive/Academic Language Proficiency:認知的/学術的言語についての熟練度)の二つの概念をもとに、聴覚障害教育における手話の使用はBICSの充実には効果的であっても、それだけでは日本語のCALP獲得には不十分であると主張した。そして脇中は、いわゆる「9歳の壁(聴覚障害児のかなりの数が小学校4年生以上の学習内容の獲得に失敗する現象を指す言葉)」を越えるには日本語のCALPが準備されていなければならず、日本手話か対応手話かという議論を越えて、日本語のCALPを聴覚障害児に獲得させる為の最善の教育法を検討すべき時期に来ているとし、聴覚活用やキュードサイン、発声模倣、口形模倣など聴覚口話法の手法も日本語の音韻意識獲得のための手段として活用すべきであると指摘している。
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