聴覚の継時マスキング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/01 07:32 UTC 版)
「経時マスキング」の記事における「聴覚の継時マスキング」の解説
聴覚における継時マスキングとは、突然大きな音がしたとき、その前後の音が聞こえなくなること。先行する音がマスクされる場合を逆向マスキング(英: backward masking)、後続の音がマスクされる場合を順向マスキング(英: forward masking)と呼ぶ。マスクする音(マスカ)とマスクされる音(マスキともいう)の時間間隔が大きくなると、その効果は指数関数的に弱まる。逆向マスキングの場合は約20ミリ秒まで、順向マスキングの場合は約100ミリ秒までが限度である。 同時マスキングと同様、継時マスキングも聴覚系で行う周波数解析の性質と関係が深い。複雑な倍音から成る音(例えば、基本周波数500Hzののこぎり波)の順向マスキングの閾値は、最初のいくつかの倍音を中心とした周波数帯の閾値のピーク(すなわち、高マスキングレベル)を表している。実際、順向マスキングの閾値から測定した可聴域は、同時マスキングから測定した可聴域よりも狭く正確である。 継時マスキングを、耳の中での音響反射(中耳で意図せずに起きる反応であり、大きな音から耳の中の繊細な構造を守る)と混同すべきではない。
※この「聴覚の継時マスキング」の解説は、「経時マスキング」の解説の一部です。
「聴覚の継時マスキング」を含む「経時マスキング」の記事については、「経時マスキング」の概要を参照ください。
- 聴覚の継時マスキングのページへのリンク