美しいアニス・アル・ジャリスとアリ・ヌールの物語(第32夜 - 第36夜)
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バートン版「ヌル・アル・ディン・アリと乙女アニス・アル・ジャリスの物語(第34夜‐第38夜)」 東洋文庫版「ヌールッ・ディーン・アリーとアニースッ・ジャリースの物語(第34夜‐第38夜)」 昔、バスラの王ムハンマド・ベン・スライマーン・エル・ゼイニのもとに、善い大臣エル・ファドル・ベン・カカーンと悪い大臣エル・モヒン・ベン・サーウィがいた。ある日、王は善い大臣エル・ファドル・ベン・カカーンに、美貌、容姿、才能、性格に欠けることのない最高の女奴隷を探すことを命じ、大臣は苦労の末、最高の女奴隷アニス・アル・ジャリスを見つけるが、王に献上する前に、大臣の息子で美男子のアリ・ヌールが手を出してしまった。大臣は仕方なくアリ・ヌールとアニス・アル・ジャリスの結婚を認め、このことを王に隠し、女奴隷を献上せずにいたところ、大臣は病気で死亡してしまった。息子アリ・ヌールが父の遺産を相続すると、浪費を始め、女奴隷アニス・アル・ジャリス以外の財産を全て失ってしまった。最後にアニス・アル・ジャリスを競売にかけたところ、悪い大臣エル・モヒン・ベン・サーウィが落札するが、アリ・ヌールは気が変わり競売を取り下げた。悪い大臣は、王に訴え、王はアリ・ヌールの逮捕を命じ、アリ・ヌールとアニス・アル・ジャリスはバスラから逃げ出した。 アリ・ヌールとアニス・アル・ジャリスはバクダードに逃げ延び、そこで教王(カリーファ)ハールーン・アル・ラシードの庭園に勝手に入り込み、庭番イブラーヒームと仲良くなり、そこで宴会を始めた。そこにお忍びで通りかかった教王ハールーン・アル・ラシードは、アニス・アル・ジャリスの歌が大変気に入った。それを見たアリ・ヌールはアニス・アル・ジャリスを差し上げると言い、その気前良さに感動した教王は、バクダードまで来た話を聞いた。教王は、悪い大臣エル・モヒン・ベン・サーウィを殺し、アリ・ヌールにアニス・アル・ジャリスを再度与え、2人は教王の庇護のもと、幸せに暮らした。
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