線型代数学的な定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/30 22:19 UTC 版)
線型代数学的には、射影平面は「三次元空間内の原点を通る直線全体の成す集合」として与えられる。射影平面上の直線は三次元空間内の原点を通る平面から生じる。きちんと述べれば、以下のようになる。 K を任意の可除環(斜体)とし、 K 3 を K の元の三つ組 x = (x 0, x 1, x 2) 全体の成す集合(直積集合)とする。K 3 の零ベクトルでない任意の点 x に対し、原点と x を通る K 3 内の「直線」とは、 K 3 の部分集合 { k x : k ∈ K } {\displaystyle \{kx:k\in K\}} のことである。同様に K 3 の線型独立な点 x, y (つまり kx + ly = 0 ならば必ず k = l = 0)に対し、原点と x, y を通る「平面」とは、 K 3 の部分集合 { k x + l y : k , l ∈ K } {\displaystyle \{kx+ly:k,l\in K\}} のことであり、この平面は無数の直線を含む。 可除環 K 上の射影平面 KP2 とは、K 3 の原点を通る直線全体の成す集合をいう。KP2 の部分集合 L が、射影平面 KP2 内の(射影)直線であるとは、K 3 における平面で、それが含む直線全体の成す集合が KP2 においてちょうど L と一致するものが存在するときにいう。 少し異なる定義の仕方もあって、射影平面というのは集合 K 3 ∖ {(0, 0, 0)} を x ∼ k x , k ∈ K {\displaystyle x\sim kx,\quad k\in K} で与えられる同値関係で割ったものである、ということもできる。この場合も射影平面内の直線は先ほどとまったく同じように定義できる。K が位相空間ならば KP2 にも(直積位相、部分空間の位相、商位相を通じて)内在的な位相が入る。 KP2 における座標系 (x 0, x 1, x 2) は斉次座標系 (homogeneous coordinates) と呼ばれる。各三つ組 (x 0, x 1, x 2) は KP2 の点を矛盾無く表すが、三つ組 (0, 0, 0) だけは例外で KP2 のどの点にも対応しない。K が有限体でない限り KP2 の各点に対応する三つ組は無数に存在しうる。
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