緊急着陸妨害事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 06:52 UTC 版)
2011年8月13日、カタール航空(QR)888便(ドーハ発上海/浦東行き)は、燃料不足による「メーデー」(航空機、船舶などが発するSOSに当たる緊急信号)を宣言し上海虹橋国際空港に緊急着陸を要請した。それを受け管制塔は、QR888便の前方を飛行していた吉祥航空1112便に着陸を中止し順番を譲るよう指示を数回送ったが、1112便のパイロットは、自機も燃料不足であると主張してこの指示を拒否し、航路を譲らなかった。カタール航空機はその7分後着陸した。他機の緊急信号を無視して航路を譲らないというこれだけ悪質なケースは、航空機の歴史の中で過去に例がない。なお、後日の報道によると、着陸時には残り30分間分未満の燃料しか残っていないと通報したカタール航空機(B777-300ER)には30分相当の燃料(5.2トン)が残存しており、また、残り4分間分の燃料しか残っていないと主張していた吉祥航空機(A320-200)には1時間以上分(2.9トン)の燃料が残存していた。 2011年8月29日、中国民航華東地区管理局は、緊急着陸を妨害したとして吉祥航空機の韓国籍機長の国内パイロット免許を剥奪し、吉祥航空自身には3ヶ月間のペナルティ(経営拡大申請の受理を停止し、運航枠を10%削減する)を与える事を発表した。
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