結果対照研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 09:43 UTC 版)
「ヘルメット (自転車)」の記事における「結果対照研究」の解説
結果対照研究では頭部負傷した自転車乗り (結果群) と負傷しなかった自転車乗り (対照群) を比較する。 こういった研究はエビデンスレベル 3 に該当し、無作為試験または時系列研究に比べて誤った回答を潜在的に与えやすい方法である。この種の研究手法には、交絡変数 (測定不能な行動/習性の違いによる効果を、ヘルメット選択の違いによるものだと考えること) や思い出しバイアス (人々がヘルメット着用に関する不正確な報告をすること) などに関する潜在的問題のあることが知られている。 このような研究では頭部以外を負傷した対照群に対して、頭部負傷した結果群のヘルメット着用率が一貫して低めに記録されることが知られている。この結果は自転車用ヘルメットが衝突時に有効だという強い証拠だとみなされてきた。 最も広く引用された結果対照研究は、Thompson と Rivara、Thompson によるもので、ヘルメットの着用により頭部負傷の危険が85%減少すると報告した。この研究に対しては、対照群のさまざまな種類の危険因子に起因する効果を含んでいるなど、批判はたくさんある。 Thompson, Rivara が、Thompson の資料と Rivara が同時期に行った路上集計によるヘルメット着用率で代用して行った再調査では、推定した効果が統計的に有意となる基準を下回ってしまった[要出典]。これは上記の研究には混同があったという証拠だとみなされている。 別の研究でもヘルメット着用者には下半身の重傷を防ぐ力があると考えられている。 ヘルメット非着用はこの調査対象群の深刻な負傷に強く関連している。頭部重傷患者を除いた集団で分析したとしてもこれは真実である。 — 以前の研究で少なくともヘルメット着用者にもたらされた何らかの「保護」は、ヘルメット自体の直接の効果というより安全運転習慣として説明される可能性がある。 存在する他の結果対照研究すべてで同様の結果を示している。1977年から1980年のオーストラリアのビクトリアにおけるヘルメット非着用自転車乗りの頭部重傷を含む頭部負傷者の生存率は、ヘルメット着用バイク乗りの生存率の2倍以上あった。
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