経皮吸収されやすい薬剤の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 09:47 UTC 版)
「角質」の記事における「経皮吸収されやすい薬剤の特徴」の解説
角質層がバリアとなっているため、角層の下の細胞、生体内部に薬剤を吸収させるにはこれを突破しなければならない。 角質層を透過しやすい薬剤の特徴として次のものが上げられる。 低分子量(〜500以下)ː経皮からの吸収に適しているのは分子量500以下の物質である。分子量1000にもなると角質をほとんど通過できない。 適度な脂溶性(油水分配係数*が1~4(理想は2~3))ː角質層は脂溶性が高い物質が多いため、外部から角質層に入るには脂溶性が必要だが、さらにその下層は脂溶性が低いため、あまりにも脂溶性が高すぎると角質層にとどまりその下の細胞層へ届かない。ほどほどが重要。物質の分子量が小さい場合、化学的に修飾し親油性(脂溶性)にすることで通過できる。水溶性の物質も全く透過しないわけではない。例として高濃度の水溶性ビタミンC(アスコルビン酸ナトリウム)を経皮的に吸収させた研究がある。 融点が低い(200℃以下)ː融点が低いほど溶解度が高く透過しやすい。 このバリアを突破して薬剤を浸透させる技術に、マイクロニードル、低電流を用いるイオン導入(イオントフォレシス)、超音波を用いる超音波導入(ソノフォレシス)がある。また皮膚の剥離を促すケミカルピーリングでは、サリチル酸マクロゴールが角質のみに作用するとされ、ざ瘡(ニキビ)の皮疹、小斑の日光黒子、小じわを緩和するための選択肢である。尿素は10%まで皮膚の保湿剤として、それ以上で皮膚の角質融解作用を示す。
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