精神分裂病における意味の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 04:38 UTC 版)
「分析心理学」の記事における「精神分裂病における意味の発見」の解説
スイスのチューリッヒ大学で、助手としてブロイラーより教えを受けたユングは、医師としての経験を経た後、フランスのピエール・ジャネ(1859-1947)より心の力動的把握を学んだ。"The Psychogenesis Of The Mental Disease" において彼は,ジャネ、フロイト、ブロイラー等様々な人々の仕事を挙げ、自分の臨床経験も判断材料につけ加えながら、統合失調症についての考察を進めている。 ユングはジャネのいうabaissement du niveau mental、心的水準の低下に着目し、フロイトの夢分析において述べられている意識の「圧縮」機能、すなわち感情記憶、言葉、イメージ等の連関作用が、患者の場合必要以上に緩んでしまったために、統合を欠いているのだと考えた。 また、精神医学者として精神分裂病の患者の言動を詳細に観察研究していたユングは、当時、「狂気」の故の無意味な反応と見なされていた分裂病の患者の理解不能な言動が、決して「無意味」ではなく、その患者が過去に体験した重要な事件を象徴しており、「意味」があることも発見した。
※この「精神分裂病における意味の発見」の解説は、「分析心理学」の解説の一部です。
「精神分裂病における意味の発見」を含む「分析心理学」の記事については、「分析心理学」の概要を参照ください。
- 精神分裂病における意味の発見のページへのリンク