粒子と電磁場の重み付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 14:31 UTC 版)
「Particle-in-Cell法」の記事における「粒子と電磁場の重み付け」の解説
「particle-in-cell」という名前は、プラズマのもつ巨視的な物理量 (数密度、電流密度 等) が粒子に割り当てられている事に由来する。粒子は連続領域上の任意の位置を取り得るが、一方で巨視的物理量は電磁場と同じように格子点でのみ計算される。そのため巨視的物理量を得るためには、格子点への「粒子の重み付け」を行う必要がある。そこで、1つの粒子はある「形」を持っていると考えて、その「形」が次の形状関数で定められているという仮定を置く: S ( x − X ) {\displaystyle S({\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {X}})} ここで、 x {\displaystyle {\boldsymbol {x}}} は粒子の位置であり、 X {\displaystyle {\boldsymbol {X}}} は格子点の位置である。形状関数には通常、最も単純で簡単な、一次 (線形) の重み付けスキームが選択される。この手法は、いわゆるセル内クラウド (cloud-in-cell、CIC) 法と呼ばれる。どのようなスキームであれ、形状関数は空間の等方性、電荷の保存、および高次項の精度向上 (収束性) の条件を満たす必要がある。 電場と磁場は格子点でのみ計算されるため、粒子に作用する力の計算には直接使用できない。そのため、「電場と磁場の重み付け」によって内挿する必要がある: E ( x ) = ∑ i E i S ( X i − x ) {\displaystyle {\boldsymbol {E}}({\boldsymbol {x}})=\sum _{i}{\boldsymbol {E}}_{i}S({\boldsymbol {X}}_{i}-{\boldsymbol {x}})} ここで、添え字 i {\displaystyle i} は格子点のラベルである。粒子に作用する力がセルフコンシステントに得られるためには、粒子から格子点への数密度および電流密度を割り当てる方法と、格子点から粒子への電磁場の補間方法との間に矛盾があってはならない。なぜなら、いずれの物理量もマクスウェル方程式の中に現れているからである。特に、電磁場の補間スキームでは運動量が保存される必要がある。これは、粒子と電磁場に同じ重み付けスキームを選択し、かつ適切な空間対称性を保証する (すなわち、自己力が無く、作用・反作用の法則を満たす) 事で実現可能である。
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