第7話 火礁海(アーラン・アーラン)
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「人外魔境」の記事における「第7話 火礁海(アーラン・アーラン)」の解説
1922年、スマトラ西海岸、南緯3度附近の小さな町モコ・モコ(英語版)で、二人の嬰児に乳房をふくましていた狂女、ツンガイが保護された。嬰児の片方は女の子、もう片方は男の子で、すでに死亡していた。だが、男子の方は全身を密毛におおわれており、猿のような頭をしていた。男子は「人類ならぬ人間(コチョ・ボチョ)」だと考えられた。ツンガイはパレンバンの教師ヤッガースの召使だったが、誰の子ともわからぬ子を妊娠したまま身をくらまし、近づく者を狂わすという「離魂の森(ウータン・サキジ)」を通ってモコ・モコにやってきたのだという。 ツンガイは、スマトラ島北端のサバンにあるパスツール記念研究所附属癲狂院に収容されていた。離魂の森攻略の準備中、サバンの暗黒街を冷やかしに訪れた折竹と助手のナッケンは、そこでツンガイの娘ヴェミダに出くわす。 一方、折竹の探検隊の一員で、ヤッガースの知り合いだった植物学者ファン・ブレーは、折竹に対し、ヴェミダはツンガイの娘ではない、コチョ・ボチョは実在しない、離魂の森には何もいない、と謎めいた忠告を告げる。 ヴェミダを連れ、離魂の森攻略に移った折竹たちだが、ファン・ブレーが印度大麻煙草(パング)の乱用による狂狼症(アモック)(英語版)を引き起こし、人夫を数名殺害して射殺された。折竹は離魂の森の横断に成功するが、コチョ・ボチョはついに発見できなかった。落胆した折竹だが、今度はモコ・モコの西方500海里の海中にある海底火山、「火礁海(アーラン・アーラン)」にコチョ・ボチョはいるのではないか、と疑い始める。 冒頭で、マレイ群島で近年発見された怪物の例として、1912年にコモド島で発見された「地竜(プアヤダラ)」(コモドオオトカゲのこと)と、1938年に火礁海附近で発見された「クラカント」(シーラカンス Coelacanth の誤読。また実際の発見地は南アフリカである)が紹介されている。
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