第4番 変ニ長調 作品91
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「即興曲 (フォーレ)」の記事における「第4番 変ニ長調 作品91」の解説
1905年8月作曲、翌1906年、ウージェル社より出版。初演は1907年1月12日、国民音楽協会の演奏会でエドゥアール・リスレの独奏による。ド・マリアーヴ夫人(マルグリット・ロンのこと)に献呈された。 第3番の即興曲から20年以上隔たっており、構成的には5曲のうち最も大きい。3つの主題によって構成されているが、リズムが錯綜する第1主題、抒情的な第2主題、ゆったりとした第3主題が驚くほど巧妙な手腕のもとに作品中に組み込まれており、これについてネクトゥーは「複雑で過剰な書法」、「あまりにも技巧的に複雑に絡み合っているために、その譜面は初見では演奏不可能なほど難解である」と指摘する。一方でジャンケレヴィッチは、同じ変ニ調で書かれた舟歌第8番に相通じるものがあり、もっとも純粋にフォーレ的な響きを持つ作品とする。 なお、初演者のリスレは、パリ音楽院の教授でベートーヴェンやリストを得意とした。1907年1月の初演から半年後、マルセル・プルーストがホテル・リッツで催した晩餐会でもリスレはフォーレの作品を演奏した。一方、この作品を献呈されたロンはフォーレの有名作品を数多く演奏したピアニストだが、作曲から3年近く経った1909年3月30日に初めて演奏しており、ネクトゥーは彼女がこの曲をそれほど評価していなかったことはほぼ間違いないとしている。
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