第110独立機械化旅団_(ウクライナ陸軍)とは? わかりやすく解説

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第110独立機械化旅団 (ウクライナ陸軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 23:17 UTC 版)

第110独立機械化旅団
創設 2022年3月8日
所属政体  ウクライナ
所属組織 ウクライナ陸軍
編制単位 旅団
兵科 機械化歩兵
兵種/任務 機甲戦
人員 2,000人[1]
愛称 マルコ・ベズルチコ
上級単位 第11軍団
戦歴 ロシアのウクライナ侵攻
指揮官 ミコラ・チュマク大佐
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第110独立機械化旅団(だい110どくりつきかいかりょだん、ウクライナ語: 110-та окрема механізована бригада)は、ウクライナ陸軍旅団第11軍団隷下。

概要

ロシアのウクライナ侵攻

2022年3月8日、ロシアのウクライナ侵攻の影響に伴い、予備軍団予備役)の機械化部隊として創設された[2]

東部・アウディーイウカ戦線

2022年3月、東部ドネツィク州ポクロウシク地区に配備され、第56独立自動車化歩兵旅団の援軍でアウディーイウカ北を防御した。12月には第56旅団がローテーションで後方に移動し、独立大統領旅団隷下の第2機械化大隊、アウディーイウカ南を防御する第53独立機械化旅団と共にアウディーイウカ守備隊の主力部隊となった[3][4]

2022年8月24日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、名誉称号「マルコ・ベズルチコ」を授与された[5]

2023年10月、ロシア軍が兵力4万人で攻勢を開始したため、アウディーイウカ市内に再配置され、救援の第47独立機械化旅団がアウディーイウカ北に配置された[1]

2023年12月6日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、勇気と勇敢さに対する栄誉賞を授与された[6]

2024年2月、ロシア軍は大損害を出しながらも人海戦術で攻勢を4か月間続け、弾薬不足と市街戦に悩まされた第110旅団も大損害を受けて増援の第3独立強襲旅団と交代で一部部隊が後方に移動したが、同月に2年近くローテーション無しで防御したアウディーイウカが陥落した[7][8][1]

2024年4月、ウクライナ軍の機械化旅団では通常1個戦車大隊が編成されているが、第110旅団には未編成だったため再編時に戦車大隊が新編された[9]

2024年5月、激戦地の東部ドネツィク州ポクロウシク地区に再配置され、アウディーイウカ西に展開した[10]

2024年秋、旅団はドネツィク州ヴェルカ・ノヴォルシカ英語版に配置転換された[11]

2025年1月、ロシア軍の攻勢によりヴェルカ・ノヴォルシカから同旅団を含むウクライナ軍が撤退した[11]。ヴェリカ・ノヴォルシカでの戦闘は2か月続き、そのうち1か月間はウクライナ軍が半包囲状態で戦った。村を3つに分ける川の渡河地点は破壊され、物資の輸送は大型ドローンによってのみ行われた。当時の旅団長のイホール・グバレンコは村の喪失後その職を解任された[11]

編制

  • 旅団司令部
  • 第1機械化大隊
  • 第2機械化大隊
  • 第3機械化大隊
  • 戦車大隊
  • 第12独立小銃大隊
  • 旅団砲兵群
    • 本部中隊
    • 第1自走砲大隊
    • 第2自走砲大隊
    • ロケット砲大隊
    • 対戦車砲大隊
  • 防空大隊
  • 工兵大隊
  • 整備大隊
  • 兵站大隊
  • 偵察中隊
  • 狙撃中隊
  • 電子戦中隊
  • 通信中隊
  • レーダー中隊
  • NBC防護中隊
  • 衛生中隊

ギャラリー

出典

  1. ^ a b c 積み重なるロシア兵の屍、「孤塁」アウジーイウカを守る第110旅団の死闘 フォーブス・ジャパン
  2. ^ “Оборона міста вічного вогню очима піхоти. Репортаж з окопів поблизу Авдіївки”. ウクラインスカヤ・プラウダ. https://www.pravda.com.ua/articles/2023/03/20/7394127/ 
  3. ^ “ゼレンシキー宇大統領、東部アウジーウカの前線陣地を訪問 軍人に謝意”. ウクルインフォルム. https://www.ukrinform.jp/rubric-ato/3697502-zerenshiki-yu-da-tong-ling-dong-buaujiukano-qian-xian-zhen-dewo-fang-wenjun-renni-xie-yi.html 
  4. ^ “侵攻374日目 – まとめ”. ミリタリー・ランド. https://militaryland.net/news/invasion-day-374-summary/ 
  5. ^ ウクライナ大統領令 No.606/2022 ウクライナ大統領府
  6. ^ ウクライナ大統領令 No.805/2023 ウクライナ大統領府
  7. ^ “ロシア軍がアウジーイウカの主要補給路を遮断 ウクライナ側は予備到着も難局に”. フォーブス・ジャパン. p. 2. https://forbesjapan.com/articles/detail/69146/page2 
  8. ^ “ロシア軍がアウジーイウカの主要補給路を遮断 ウクライナ側は予備到着も難局に”. フォーブス・ジャパン. https://forbesjapan.com/articles/detail/69146 
  9. ^ ミリタリー・ランド
  10. ^ トム・クーパー. “Ukraine War, 24 May 2024 (UPDATED)”. https://xxtomcooperxx.substack.com/p/ukraine-war-24-may-2024 
  11. ^ a b c Екскомбриг 110-тки Ігор Губаренко про оточення Великої Новосілки, брак дронщиків і зустрічі комбригів з Єрмаком” (ウクライナ語). Українська правда. 2025年4月30日閲覧。

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