ポクロウシクとは? わかりやすく解説

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ポクロウシク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/05 02:19 UTC 版)

ポクロウシク

Покровськ (ウクライナ語) (Pokrovsk) 
ポクロウシクの中心地


印章
ポクロウシク
ポクロウシクの位置
ポクロウシク
ポクロウシク (ドネツィク州)
座標:北緯48度16分58秒 東経37度10分58秒 / 北緯48.28278度 東経37.18278度 / 48.28278; 37.18278座標: 北緯48度16分58秒 東経37度10分58秒 / 北緯48.28278度 東経37.18278度 / 48.28278; 37.18278
 ウクライナ
ドネツィク州
ラヨン(地区) ポクロウシク地区ウクライナ語版英語版[2]
フロマーダ ポクロウシク・フロマーダ[2]
ポクロウシク
設立 1880年
面積
 • 合計 29.7 km2
人口
(2021年)推計[3]
 • 合計 61,161人
ケッペンの気候区分 Dfb
区画コード[注釈 1] UA14160210010099403[2]
ウェブサイト http://pokrovsk-rada.gov.ua
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ポクロウシク (ウクライナ語: Покровськ, 発音 [poˈkrɔu̯sʲk] ( 音声ファイル), 又はポクロフスクPokrovsk; ロシア語: Покровск; は、ウクライナドネツィク州の市であり、ポクロウシク地区ウクライナ語版英語版の行政の中心である[2]。 2020年以前は、州内重要市英語版として制定されていた。人口は2021年推計で61,161人[3]

名称

ポクロウシク はウクライナ語での名称でロシア語での名称のポクロフスクも広く使われている。また、2016年までは 赤軍の街を意味すいるクラスノアルミイスク/クラスノアルメイスク(ウクライナ語: Красноармі́йськ,Krasnoarmiisk; ロシア語: Красноармейск)と呼ばれており、脱共産主義法によって名称が改訂された。1938年まではグリシナ(ロシア語: Гришино, Grishino; ウクライナ語: Гришине, Hryshyne) と呼ばれていた。

歴史

1875年にロシア帝国によってグリシナとして鉄道建設の拠点として町が建設された。1881年に鉄道が敷設され、1884年に鉄道の運行が開始される。当時の人口は2000人。1913年には人口は4,500人にまで増加した。その後、ロシア革命後に赤軍を意味するクラスノアミンスコエへと名称が変わった。第二次世界大戦独ソ戦でも激しい戦闘の舞台になり、対ナチス戦争勝利を受けて赤軍の街を意味するクラスノアルミンスクへと名称が変更された。ソ連からの独立以降も名称は変わっていなかったが、ウクライナ政府による脱共産主義法の制定によりポクロウシク(ロシア語名ポクロフスク)へと変更[5]されて現在に至る。2014年に始まったドンバス内戦以降、ポクロフスクはウクライナ軍のドンバス戦線における供給物流拠点、軍事要塞拠点としてドネツク地域防衛の最大拠点となってきた。

人口統計

2017年8月1日時点のポクロウシクの人口は75,205人[6]

2001年国勢調査のデータによる民族内訳:[7]

人口 割合(%)
ウクライナ人 62,158 75.0
ロシア人 18,299 22.1
ベラルーシ人 558 0.7
アルメニア人 307 0.4
アゼルバイジャン人 215 0.3
人口推移
人口 ±%
1923 8,203 —    
1926 11,335 +38.2%
1939 29,617 +161.3%
1959 47,974 +62.0%
1970 55,044 +14.7%
1979 59,864 +8.8%
人口 ±%
1989 72,859 +21.7%
2001 69,154 −5.1%
2014 64,533 −6.7%
2022 60,127 −6.8%
2024 13,000 −78.4%
2025 1,327 −89.8%
Source: [8]


2001年ウクライナ国勢調査による母語の割合:[9]

交通

ドネツク中部の鉄道拠点となっており、複数の路線が集まっている。市内にはポクロフスク鉄道駅がありキエフ等ウクライナ各地とを結んでいる。マイダン革命以前の2014年以前はモスクワサンクトペテルブルク等ロシア各地への列車も運行されていた。

2022年ロシアのウクライナ侵攻

  • 2023年8月7日 - 住宅地にロシアからのミサイルが着弾。救出作業中に再度ミサイル攻撃が行われたため、救助活動を行っていた者も巻き込まれた。死者9人、負傷者82人[10]
  • 2024年8月19日‐ウクライナ当局はロシア軍が急速にポクロウシクに迫ってきているため、子供がいる世帯の住民に対し避難を命じた。現在同市には5万3000人以上の住民が残っている[11]
  • 2024年12月-ポクロウシクにロシア軍が約3kmのところまで迫っており既にポクロウシク周辺の地域で戦闘が起こっている。[12]市内はロシア軍の砲撃や爆撃によりほとんどの住宅街が被害にあいガス、水道、電気などが途切れた。
  • 2025年7月21日-ロシア軍破壊工作部隊がウクライナ軍部隊にパニックを引き起こし都市から撤退させることを目的にポクロウシク市内に侵入した。150人のロシア軍部隊のうち120人が都市にたどり着くまでに排除され残りの30人が市内に侵入したがほとんどが排除された。[13][14]
  • 2025年7月下旬-ロシア軍の接近によりポクロウシクの人口は1500人未満にまで減少した。[15]
  • 2025年10月-ロシア軍がポクロウシク市街南郊外と西部のダーチャ群に到達した。またロシア軍は市内中心部の鉄道駅周辺にも進出しウクライナ軍との戦闘が起こっている。現在少数のロシア軍浸透戦術部隊が市街地南部地域に出現しており市街地南部全域が戦闘区域になっている。[16][17][18]
  • 2025年10月下旬‐ロシア軍が市街中心部と市北東郊外に到達した。ウクライナの軍事アナリストによればロシア軍は数百人の少数部隊で市街に浸透し後方で前線部隊が突破口を開くため破壊工作活動を行っている。[19]ロシア軍はポクロウシクに大量の兵力を投入しており市内に足場を築きたいロシア軍と街を守るウクライナ軍とで激しい戦闘が続いている。ロシア軍はポクロウシク北東方向のクラスヌーイ・リマンからも前進しておりポクロウシク‐ミルノグラード都市群が包囲される危険性もある。アメリカの戦争研究所やロシア人ミルブロガーゼレンスキー大統領などが否定したがロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長はポクロウシク都市群の包囲を発表した。[20]

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 「Кодифікатор адміністративно-територіальних одиниць та територій територіальних громад (行政区域単位と行政領域フロマーダのコード化)」(略:КАТОТТГ)と呼ばれる、地理情報の符号化によってウクライナの地方自治体の行政区画ごとに付けられた識別符号[4]

出典

  1. ^ Cite web|和書|title=角大使のドネツク州におけるUNHCR及びWFPを通じた支援プロジェクト視察 |url=https://www.ua.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/00_000507.html |website=在ウクライナ日本国大使館 |access-date=2022-06-04 |publisher=外務省 |date=2016-11-08}}
  2. ^ a b c d Покровськ - Донецька область”. decentralization.gov.ua. 2022年6月4日閲覧。
  3. ^ a b Чисельність наявного населення України на 1 січня” (PDF) (ウクライナ語). Державна служба статистики України. p. 15 (2021年). 2022年6月4日閲覧。
  4. ^ Кодифікатор адміністративно-територіальних одиниць та територій територіальних громад” (ウクライナ語). ukrstat.gov.ua. 2022年7月6日閲覧。
  5. ^ ПОСТАНОВА Верховної Ради України Про перейменування деяких населених пунктів
  6. ^ "Стало известно, сколько зарабатывают жители Покровска" Girnyk.dn.ua, September 12, 2017
  7. ^ Etnicity and Native Language breakdown of the Donetsk Oblast.
  8. ^ Cities & towns of Ukraine
  9. ^ Офіційна сторінка Всеукраїнського перепису населення”. www.ukrcensus.gov.ua.
  10. ^ 東部ドネツク州への攻撃 死者9人、負傷者82人に”. CNN (2023年8月9日). 2023年8月9日閲覧。
  11. ^ ウクライナ、東部の都市住民に避難指示 ロシアが進軍”. BBCニュース (2024年8月20日). 2024年12月17日閲覧。
  12. ^ 日本放送協会 (2024年12月16日). “英国防省 “ロシア軍 ウクライナ東部の要衝に迫る勢いで前進” | NHK”. NHKニュース. 2024年12月17日閲覧。
  13. ^ DeepState: Зі 150 ворожих диверсантів до Покровська дійшло близько 30, решту — ліквідували” (ウクライナ語). New Voice. 2025年9月14日閲覧。
  14. ^ Russian troops enter Pokrovsk, Ukrainian 'search and destroy' operation ongoing” (英語). The Kyiv Independent (2025年7月22日). 2025年9月14日閲覧。
  15. ^ Pokrovsk: why is Russia trying so hard to capture strategic city in Ukraine?”. 2025年10月21日閲覧。
  16. ^ Russian ‘sabotage’ unit that killed civilians in Pokrovsk later eliminated, Ukrainian military says” (英語). The Kyiv Independent (2025年10月20日). 2025年10月21日閲覧。
  17. ^ Interactive Map: Russia's Invasion of Ukraine” (英語). ArcGIS StoryMaps (2025年10月20日). 2025年10月21日閲覧。
  18. ^ The battle for Pokrovsk Russia is closing in on a key city in the Donetsk region. Can Ukraine hold the line?” (英語). Meduza. 2025年10月21日閲覧。
  19. ^ Russians infiltrating Pokrovsk and crippling Ukrainian logistics – DeepState analysts” (英語). Ukrayinska Pravda via Yahoo News (2025年10月29日). 2025年10月29日閲覧。
  20. ^ 【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入”. Newsweek日本版 (2025年10月29日). 2025年10月29日閲覧。

外部リンク




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