第1番 ト短調
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 20:58 UTC 版)
「無伴奏ヴァイオリンソナタ (イザイ)」の記事における「第1番 ト短調」の解説
ヨーゼフ・シゲティに献呈。全4楽章で、演奏時間は16分程度。調性の選択や楽章の構成、また楽想においてバッハの『ソナタ第1番』との類似が指摘される。6曲の中でも特にポリフォニックな構造が際立った作品であり、難曲として知られる。 第1楽章 グラーヴェ(Grave)レント・アッサイ、ト短調、3/4拍子。力強い四重音で始まり、半音階的な、苦悶するような旋律が紡がれていく間に、即興的なパッセージがさし挟まれる。冒頭の主題が再現されると、スル・ポンティチェロのトレモロによる不気味なコーダが締めくくる。 第2楽章 フガート(Fugato)モルト・モデラート、ト短調、2/4拍子。2声のフガートだが特に厳格なものではなく、バッハの無伴奏ソナタにおけるフーガと同様に、主題を対位法的に扱う部分と技巧的なパッセージとが交代する構成をとる。主題の最後の再現では六重音も現れる。 第3楽章 アレグレット・ポコ・スケルツォーソ(Allegretto poco scherzoso)アマービレ、変ロ長調、3/8拍子。穏やかな間奏曲。中間部は単音のパッセージに縁取られ、ト短調に始まって調性が変転する。 第4楽章 フィナーレ・コン・ブリオ(Finale con brio)アレグロ・フェルモ(Allegro fermo、不動の速さで)、ト短調、3/8拍子。ジーグやパスピエを思わせるリズムによる重厚なフィナーレ。重音が特に多用される。
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