第1楽章「海上の夜明けから真昼まで」
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「海 (ドビュッシー)」の記事における「第1楽章「海上の夜明けから真昼まで」」の解説
低音の「ロ」音の上に、ハープが完全5度(「嬰ヘ」音)、長6度(「嬰ト」音)の響きを作り出し、チェロがAを提示する。序奏部はロ短調を示す記号が記されているが音階の第3音を欠いており調性は曖昧である。やがてBが提示されるが、「ハ」音から始まるこの主題はさらに調性を曖昧なものにしている。序奏部はBの提示を中心にしたアーチ型の構造であり、最後の部分でややテンポを速め、変ニ長調の主部に入る。主部は、木管による主要主題、ホルンによる第35小節目からの主題を軸とした前半と、4部に分かれたチェロによって奏される動的な主題を軸とした後半に大きく二分されるが、いずれのセクションにもA、Bが登場することによって楽曲としての統一が図られている。コーダでは第132小節目にBから派生したコラール風の主題が現れ、Aから派生した音型と主部の主要主題とが同時に奏されるクライマックスに至る。楽章の最後は長6度(「変ロ」音)が付加された変ニ長調の主和音で締めくくられるが、「長6度の響き」はすでに楽章の開始段階で準備されていたものである。
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