競馬の騎手役「肉体の旗」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 01:50 UTC 版)
「からっ風野郎」の記事における「競馬の騎手役「肉体の旗」」の解説
最初、藤井浩明プロデューサーが脚本を白坂依志夫に起用したのは、三島由紀夫原作の映画『永すぎた春』でも脚本を担当していた経験があったからだった。多忙な藤井は白坂と三島の2人で打ち合わせをしてもらった。 案に難航しながらも「インテリをやりたくないんだったら、じゃあ競馬の騎手をやろう」と話が進み、白坂は「凄い名馬に乗る競馬の騎手が、八百長やる話」という『肉体の旗』というタイトルの脚本を作り、三島も乗り気で喜んでいた。三島は乗馬をやっていたことがあり、体型も割と小柄であったため適役と思われた。 三島の主演映画ということもあってか、本読みには永田雅一社長をはじめ重役も参加するという異例の環境で行なわれた。白坂の脚本は、腕の良い競馬騎手が弾みで落馬し、大穴のレースになったために競馬ファンから八百長として吊るしあがられ、愛人の女馬主からも棄てられてしまい、サンドイッチマンとして落ちぶれていくという展開で、目を悪くしたその八百長騎手がカムバックした後、ビッグレースで一旗揚げることを賭け英雄的勝利を目指すがゴールと同時に死んでしまうという結末で、よく出来ていたストーリーだった。 ところがその本読みの時、突然永田社長が、「お前何考えているんだ! 俺を誰だと思ってるんだ、俺は中央競馬会の馬主会会長だ」と怒鳴り始め、「中央競馬が八百長だって、そんなの絶対できない!」と一喝されてしまった。藤井らは社長に平謝りし、その脚本は没となった。
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