立法院院長とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 立法院院長の意味・解説 

立法院院長

(立法院長 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/04 06:36 UTC 版)

中華民国
立法院院長
立法院の紋章
現職者
韓国瑜(行憲後第13代)

就任日 2024年2月1日
地位 議長
所属機関 立法院
指名 国民政府主席(訓政期)
任命 国民政府委員会(訓政期)
立法院(行憲後)
任期 4年(多選制限なし)
根拠法令 中華民国国民政府組織法(訓政期)
中華民国憲法(行憲後)
創設 1928年10月8日(訓政期)
1948年5月17日(行憲後)
初代 胡漢民(訓政期)
孫科(行憲後)
略称 立法院長
職務代行者 立法院副院長

中華民国政治関連項目

中華民国の政治
中華民国憲法
中華民国憲法増修条文
中華民国政府

総統 頼清徳
副総統 蕭美琴

中華民国総統府
中華民国総統選挙
中華民国立法委員選挙
中華民国立法委員選挙区

行政院 • 立法院
司法院 • 監察院
考試院

国民大会(-2005年

最高法院

政党制度政党一覧

与党(少数与党)
民主進歩党
51 長5)
立法委員を有する野党
中国国民党
(立52 県市長14)
台湾民衆党
(立8 県市長1)

台湾問題両岸関係

台湾独立運動
中国統一
担当機関:大陸委員会

その他台湾関係記事

文化 - 経済 - 地理
政治 - 教育 - 軍事
人口 - 言語 - 交通
歴史

中華民国関係記事

中華文化
中国の歴史

立法院院長(りっぽういんいんちょう、: President of Legislative Yuan)または立法院長(りっぽういんちょう)は、中華民国国会である立法院[注 1]首長議長[4]。現職の院長は韓国瑜中国国民党所属)。

沿革

1928年民国17年)10月8日北伐を終えて「軍政の終了と訓政への移行」を宣言した国民政府中華民国国民政府組織法を制定し、国民政府の下部機関としての立法院南京に設置された[5]。同法では「五院[注 2]の正副院長は国民政府委員会によって任命される」と規定され[注 3]胡漢民が初代院長、林森が初代副院長に就任した[5][6]。訓政期には立法委員選挙が実施されず、立法院院長の指名に基づいて国民政府委員会が立法委員(任期2年)を任命する形をとっていた[6]。また、五院の正副院長は国民政府委員を兼務した。10月20日には立法院組織法が制定されて立法院の下部機関として法制・外交・財政・経済の4委員会が設置され、各委員会の委員長は院長によって任命されると規定された[6]

1947年(民国36年)12月25日中華民国憲法が施行され、立法委員の選出方法は国民による直接選挙へと変更され、任期は3年とされた。また、院長・副院長の選出方法も立法委員の互選へと変更された[4]1948年(民国37年)1月に第1回立法委員選挙が実施された。5月8日には立法委員らによる正副院長選挙が実施され、孫科が初代院長、陳立夫が初代副院長に選出された[5]

2005年(民国94年)に中華民国憲法増修条文が改正されて立法委員の任期が4年に延長されたことに伴い、正副院長の任期も自動的に4年に延長された[3]

選出

立法院の正副院長は1948年制定の立法委員互選院長副院長弁法中国語版の規定に基づいて選出される[7][8][9]

正副院長選挙は立法委員選挙が実施される年の2月1日に実施され、全ての立法委員が自動的に正副院長の候補者となる。正副院長選挙は立法委員全体の3分の1が出席しなければ実施できない。院長選挙と副院長選挙は個別に実施され、過半数の票を獲得した者が当選人となる。過半数を得た者がいない場合は上位2人による決選投票を行う。正副院長の任期は立法委員の任期と同じ(4年)であり、多選制限は存在しない[7][8][9]

職権

立法院の正副院長は政党の役職に就くことができず、公平中立の原則に従って職権を行使し、立法院の秩序を維持して業務を執行しなければならない(立法院組織法第3条)。立法院会議の決議は基本的に出席立法委員の過半数の賛成をもって成立するが、可否同数の場合は院長が可否を決定する立法院職権行使法第6条)[9]

議案の交渉または論争事項の解決のため、院長は党派協議を開催する権限を有する。また、各党派が院長に党派協議の開催を要請することができる(立法院職権行使法第68条)。党派協議には正副院長および各党派の代表者が出席し、原則として水曜日に開催される。休会閉会期間中であっても、必要に応じて院長が党派協議を開催を通知することができる(立法院職権行使法第69条)[9]

歴代院長

訓政期

氏名 写真 所属政党 就任 退任 在任期間
1 胡漢民 中国国民党 1928年10月8日 1931年3月2日 2年 + 145日
2 林森
(実際には就任せず)
中国国民党 1931年3月2日 1932年1月1日 305日
代理 邵元沖 中国国民党 1931年3月2日 1932年1月1日 305日
3 張継
(実際には就任せず)
中国国民党 1932年1月1日 1932年1月28日 27日
代理 覃振 中国国民党 1932年1月1日 1932年5月14日 134日
代理 邵元沖 中国国民党 1932年5月14日 1933年1月12日 243日
4 孫科 中国国民党 1933年1月12日 1948年5月17日 15年 + 126日

行憲後

氏名 写真 所属政党 就任 退任 在任期間
1 1 孫科 中国国民党 1948年5月17日 1948年12月24日 221日
2 童冠賢 中国国民党 1948年12月24日 1949年10月7日 287日
代理 劉健群 中国国民党 1949年10月9日 1950年12月1日 2年 + 10日
3 1950年12月5日 1951年10月19日
代理 黄国書 中国国民党 1951年10月19日 1952年3月11日 144日
4 張道藩 中国国民党 1952年3月11日 1961年2月20日 8年 + 346日
5 黄国書 中国国民党 1961年2月28日 1972年2月19日 10年 + 356日
代理 倪文亜 中国国民党 1972年2月22日 1972年4月28日 16年 + 302日
6 1972年5月2日 1988年12月20日
代理 劉闊才 中国国民党 1988年12月20日 1989年2月24日 1年 + 54日
7 1989年2月24日 1990年2月12日
代理 梁粛戎 中国国民党 1990年2月12日 1990年2月27日 1年 + 322日
8 1990年2月27日 1991年12月31日
代理 劉松藩 中国国民党 1992年1月1日 1992年1月16日 7年 + 30日
9 1992年1月17日 1993年1月31日
2 1993年2月1日 1996年1月31日
3 1996年2月1日 1999年1月31日
10 4 王金平 中国国民党 1999年2月1日 2002年1月31日 16年 + 364日
5 2002年2月1日 2005年1月31日
6 2005年2月1日 2008年1月31日
7 2008年2月1日 2012年1月31日
8 2012年2月1日 2016年1月31日
11 9 蘇嘉全 民主進歩党 2016年2月1日 2020年1月31日 3年 + 364日
12 10 游錫堃 民主進歩党 2020年2月1日 2024年1月31日 3年 + 364日
13 11 韓国瑜 中国国民党 2024年2月1日 現職 1年 + 62日

年表

韓国瑜游錫堃蘇嘉全王金平劉松藩梁粛戎劉闊才倪文亞張道藩黄国書 (1905年生)劉健群童冠賢孫科覃振張継 (民国)邵元沖林森胡漢民

存命中の院長経験者

2024年(民国113年)2月1日現在、現職者の韓国瑜を除く存命中の立法院院長経験者は以下の3名である。

氏名 在任期間 生年月日
王金平 1999年2月1日 - 2016年1月31日 (1941-03-17) 1941年3月17日(84歳)
蘇嘉全 2016年2月1日 - 2020年1月31日 (1956-10-22) 1956年10月22日(68歳)
游錫堃 2020年2月1日 - 2024年1月31日 (1948-04-25) 1948年4月25日(76歳)

脚注

注釈

  1. ^ 憲法の規定では立法院の他に国民大会監察院も国会の機能を有するが、後に制定された憲法増修条文によってその機能を凍結されており、現在の中華民国は事実上の一院制となっている[1][2][3]
  2. ^ 行政院・立法院・司法院考試院監察院の総称。
  3. ^ 院長・副院長の任期については規定されていない。

出典

  1. ^ 第三章 国民大会”. 台北駐日経済文化代表処. 2024年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  2. ^ 第九章 監察”. 台北駐日経済文化代表処. 2024年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  3. ^ a b 2005年6月10日中華民国憲法追加修正条文(第7次憲法修正)”. 台北駐日経済文化代表処. 2024年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  4. ^ a b 第六章 立法”. 台北駐日経済文化代表処. 2024年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月17日閲覧。
  5. ^ a b c 簡史” (中国語). 立法院. 2024年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  6. ^ a b c 陈红民, 雒军庆. “国民政府第一、二届立法院组成分析” (中国語). 浙江大学人文学院蒋介石与近代中国研究中心. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  7. ^ a b 立法委員互選院長副院長辦法” (中国語). 全国法規資料庫. 2025年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  8. ^ a b “立法院長可以被罷免嗎?一文看懂如何選出?職權範圍、歷屆立法院長是誰” (中国語). 財訊. (2024-01-16). オリジナルの2024-03-08時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240308144019/https://www.wealth.com.tw/articles/6182c3cb-a1e3-4070-ae14-4716936e7d6a 2025年3月16日閲覧。. 
  9. ^ a b c d 李鴻典 (2024年2月1日). “藍綠白都力爭 立法院長不是只有敲槌!如何選、重要職權一次看懂” (中国語). 三立新聞網. オリジナルの2024年2月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240203172447/https://www.setn.com/News.aspx?NewsID=1421191 2025年3月16日閲覧。 

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  立法院院長のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「立法院院長」の関連用語

立法院院長のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



立法院院長のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの立法院院長 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS