神話・宗教・伝統の皇帝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:16 UTC 版)
神話的物語において高度に優れた主人公(英雄)は、「皇帝」としての役割を持っていると比較神話学者ジョーゼフ・キャンベルは言う。「父」的存在から、または「一なる存在者」から祝福された主人公が、その代理役を果たすこともある。黄帝やモーセのように主人公は、皇帝(もしくは師)として人々のあいだへ帰ってくる。ゾロアスター教支配下のペルシアについての伝記の場合、黄金時代を築いた皇帝(ジャムシード、インド神話でいう閻魔大王)は、「唯一の世界君主」と称されている。 一神教では唯一神が「唯一の皇帝」、「王の中の王」、「全人類の皇帝」等とされている。『旧約聖書』(ユダヤ教聖書)から連なる一神教にとっては、唯一なる神が「宇宙で唯一の正当な王者」であり、人間は神だけを崇拝するべきである。神以外の権力や金銭収集は、神の「排他的絶対性」に背くことであり、偶像崇拝に他ならないと糾弾される。イスラームを例に取れば、神以外への崇拝や商業利益追求は、「偶像崇拝」であり、ジャーヒリーヤ(宗教的な「無知」)である。特に近代のイスラーム主義運動は、「偶像崇拝」やジャーヒリーヤを、無知というより「野蛮」として敵視している。 「唯一の皇帝」、「唯一の神」、「皇帝 (像)」、「千年帝国(千年王国)」、「神の王国」、「イスラーム帝国主義」、および「世界イスラーム帝国」も参照
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