礼文島について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:48 UTC 版)
比較的標高が低いのにもかかわらず、多くの高山植物が見られることで知られる代表的な場所として北海道の礼文島が挙げられる。礼文島は最高点が標高490メートルに過ぎないが、最高点の礼文岳など島の中央部から南部にかけて広がる標高約200-500メートルの山地の西側では、海岸付近から大規模な高山植物の群落が見られる。礼文島の地質は砂岩や泥岩、礫岩、凝灰岩などからなり、もろくて砂礫や岩礫となりやすく、東側がゆるやかで西側が急峻な礼文島の地形と、冬季に主に北西方向から吹き付ける冷たい季節風の影響などもあって、島の西側は森林の発達が悪く草原地帯や崩壊地が広がり、高山植物の群落が多く見られるようになったと考えられている。 また礼文島にはレブンアツモリソウといった固有変種や、レブンソウ、ウルップソウのように分布範囲が限られた隔離分布を示す貴重な高山植物が見られることが知られていて、現在、多くの高山植物が見られる島中央部の山地や西部の多くの地域は、利尻礼文サロベツ国立公園内の特別保護地区と特別地域とされている。そして礼文島に自生する高山植物の中には、盗掘によって激減したレブンアツモリソウを始めとした、多くの絶滅危惧種、危急種が見られる。
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