研究における ERP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 21:52 UTC 版)
「事象関連電位」の記事における「研究における ERP」の解説
実験心理学者と精神科学者は、被験者に安定して ERP を誘発させる多くの様々な刺激を発見してきた。それらの反応のタイミングは、脳の神経連絡のタイミングや情報処理にかかる時間の計測手段になると考えられている。例えば、上記のチェッカーボード刺激による計測の場合、健常者ならば視覚野での最初の反応はだいたい 50〜70 ミリ秒後である。これは最初に眼に光が入ってから視覚刺激が脳皮質へ伝達されるまでにかかる時間を示しているように思われる。一方、P300 の反応は提示された刺激の種類(視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚、など)に係わらず、300 ミリ秒前後で発生する。刺激の種類を問わないこの一般的な普遍性から、この ERP は予期せぬ刺激や認知的に重要な刺激に対する高次の認知反応を反映していると考えられている。 新規刺激に対して P300 反応が一貫して出ることにより、それに依拠したブレイン・マシン・インタフェースが構築可能となる。格子内に多くの目印を配置し、前記の理論に従って各行をランダムに光らせ、格子を見つめている被験者の P300 反応を観察する。 その他、特に神経言語学研究でよく使われる ERP には ELAN、N400、P600/SPS がある。
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