知財経営理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 05:43 UTC 版)
知財経営理論について考究ているものは少ないが、鮫島正洋 (2009)は次のように解説している(抜粋)。 知財経営による事業競争力向上は、どのようなステップの連鎖を経て生じるのであろうか。このステップの連鎖を研究することが知財経営実現の道のりであり、組織の知財力を考える際の基本的セオリとなる。知財経営理論(知財による事業競争力の向上)を実現する際には、少なくとも以下のステップが必要と考えられる。第一、技術開発テーマを決める際に、将来の市場規模及び必須特許取得可能性という二つの観点からマーケティング調査を行い、開発テーマを決定するステップ。第二、技術開発の成果を知財として保護するステップ。第三、取得した知財を現実のビジネスに適用し、事業競争力を得るステップ、という3つの要素が最低限必要である。 知財経営論は、特許権による参入障壁(特許ポートフォリオ)を形成しつつ、事業を進める事業方針、すなわち、技術開発と同時に将来の参入障壁の形成のために特許を積極的に取得することを中核とした考え方であり、この定量的効果としては市場の独占を前提として大きなリターンが期待できる。このためには「必須特許ポートフォリオ理論」を理解する必要があるが、必須特許ポートフォリオ論は知財経営論の結果として得られる組織の知財力を、同業他社との関係で評価する際のセオリである。一製品一特許型、一製品多特許型という指標により、事業分野によって修正を加える必要がある。そこで、大事なことは、「必須特許」という概念を要因分解した要件論を構築することにより、より明快な管理指標・管理プロセスの構築が可能になることである。
※この「知財経営理論」の解説は、「知財経営」の解説の一部です。
「知財経営理論」を含む「知財経営」の記事については、「知財経営」の概要を参照ください。
- 知財経営理論のページへのリンク