疫学的対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 16:42 UTC 版)
アフリカ睡眠病の制圧に向けた戦略には以下の2通りの方法がある。医学・獣医学的にこの疾病を監視・予防・治療・調査することにより感染している患者・患畜数を減らすことおよび、衛生動物学的に媒介昆虫の数を減らして伝播サイクルを絶つことである。これまで媒介者であるツェツェバエを根絶することに重点が置かれ、ツェツェバエの不妊虫放飼が効果を上げてきた。 同時に重要なのが、定期的に診断と治療を行う能動的検査活動である。高度蔓延地域では症例ごとに検査を行うのは現実的ではないので、拠点を設けてその地域共同体で系統立てて検査を行うのが最善の策である。例えば拠点から1日で移動できるところに移動診療所や検査センターを出すことになる。ガンビアトリパノソーマの場合、症状がほとんどでていないかそうでなければ深刻すぎるという状態になるため、侵淫地が一般に遠隔地であることもあり、患者は病態が十分早い時期に治療を受けることができない。また診断が難しいため地元の保健従事者では患者を発見できない。そこで系統立てた検査をすることで初期の疾患を発見できて、病状が進行する前に治療して蔓延の原因となる感染者数を減らすことができる。
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