用語 "dither" の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 15:16 UTC 版)
「ディザ」の記事における「用語 "dither" の起源」の解説
[…] ディザの最初期の使用例は第二次大戦に登場した。航空爆撃機では機械式計算機を用いて航行と爆弾の軌道計算を行っていた。面白いことに、こうした計算機 (=数百の歯車が詰まった箱) は、航空機に乗せて飛んだ状態の方が計算精度が高く、地上では劣っていた。技術者たちは、航空機の振動によって動きの悪い部品に起因する誤差が減少することに気付いた。部品がカクカクとではなく、スルスルと動いたのだ。小型の振動モーターがこうした計算機に組み込まれ、その振動はディザ (dither) と呼ばれた。ditherは中期英語の "didderen" に由来する語で、「ブルブル震える」という意味である。今日において、機械式メーターをコツンと叩いて精度を向上させることは、つまりディザを適用することである。現代の辞書では、dither は「非常に緊張した、混乱した、または動揺した状態」と定義されている。微量ではあるが、数値化システムはディザによって「精度の向上」という意味で少しアナログ的にすることができる。 —Ken Pohlmann、Principles of Digital Audio、4th edition、page 46 戦後間もなく、アナログ計算や水力制御の銃砲についての書籍で "dither" という用語が使われている。量子化におけるディザリング技術の導入を提唱したのはMITの Lawrence G. Roberts で、1961年の修士論文と1962年の論文があるが、彼は "dither" という言葉を用いていない。今のような意味で "dither" が使われた初出は1964年の Schuchman の論文である。
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