生理学的実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:41 UTC 版)
731部隊では、ガス壊疽実験、凍傷実験、銃弾実験などのように、人体を極限まで破壊すると、人体はどのくらいの期間持ちこたえることができるのか、あるいはそこからどのように治療すれば回復させることができるのか、といった生理学的な研究も頻繁に行われた。こういった実験は、731部隊以外の陸軍病院などでも行われた。 元731部隊員の越定男によれば、731部隊で最も熱心に行われた人体実験は、ガラスで覆われたガス室の外から犠牲者を観察するガス実験であったという。越は、ガス実験に立ち会った時の様子を語っている。 さらに、同じく731部隊の印刷部員だった上園直二は、白系ロシア人の男性2名が裸で冷凍室に入れられ、死亡する過程を撮影されている光景を目にした、という証言をしている。 731部隊の「ロ号棟」で衛生伍長をしていた大川福松は2007年4月8日、大阪市で開かれた国際シンポジウム「戦争と医の倫理」に出席し、子持ちの慰安婦を解剖したこと、母が死んだ後にその子どもは凍傷の実験台に使用したことなどを回想している。 1935年から1936年にかけて背陰河の東郷部隊に傭人として勤めた栗原義雄は、水だけを飲ませて何日生きられるかという耐久実験をやらされたとして、回想を語っている。
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