生成と流出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 06:29 UTC 版)
房水は毛様体、特に毛様体上皮(毛様体突起(英語版))から分泌される。この房水の生成には、水晶体で合成される5α-ジヒドロコルチゾール(英語版)が関与している可能性がある。房水の分泌量は6 μL/分であり、流速は0.8-1.9 μL/分である。分泌された房水は、硝子体腔から水晶体の周辺部分である赤道部と毛様体突起との間を経由して後眼房に流入する。後眼房からは、瞳孔を経て前眼房に流入する。 前眼房からの流出路は2種類ある。1つは経シュレム管流出路(主流、主流出路、経シュレム氏管経路などとも呼称される)であり、隅角内の線維柱帯からシュレム管、集合管を経て強膜の静脈へと排出される。もう1つはブドウ膜強膜流出経路(副流、副流出路などとも呼称される)であり、虹彩根部から組織液流の形で毛様体の筋組織の間を経て上脈絡膜腔を通り、強膜を透過して眼外で吸収されるか、脈絡膜内の静脈に吸収されることで排出される。特に経シュレム管流出路では、房水の流れに対し一定の抵抗があるため、一定量の房水が眼内に滞留し、眼内圧が発生する要因となっている。また、ムスカリンのアゴニストはムスカリンM3受容体を介して線維柱帯からの流出を、プロスタグランジンのアゴニストはブドウ膜強膜流出経路からの流出を増大させる効果があることが判明している。
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