生態系の回復と多様化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:06 UTC 版)
「白亜紀と古第三紀の間の大量絶滅」の記事における「生態系の回復と多様化」の解説
K-Pg境界の大量絶滅では地球上の生命の進化に大きな影響を与えた。白亜紀に優勢を占めていた生物種が除かれたことで、生き残った他の種がその位置に取って代わることができ、古第三紀の間に多くの生物が適応放散という形で著しく多様化した。最も顕著な例が恐竜から置き換わった哺乳類であり、K-Pg境界後に恐竜の空白を埋めるように急速に進化した。また、哺乳類の属内では、K-Pg境界後に現れた新種の体長は平均して9.1%ほどその前よりも大きくなっていた。 他の種でも多様化は見られ、分子生物学的解析と化石記録から、鳥類の多くの種(特に新顎類)がK-Pg境界後に適応放散を起こしていた。この群からは、草食のガストルニスやドロモルニス科、肉食のフォルスラコス科といった巨大な飛べない鳥も誕生した。 また、白亜紀のトカゲやヘビの絶滅は、イグアナやオオトカゲ科、ボア科といった現在のグループへの進化を引き起こしたとされる。陸上ではティタノボアやマッツォイア科(英語版)が出現し、海では巨大なウミヘビに進化した。 硬骨魚は爆発的に多様化し、絶滅により空いた種の空白を埋めた。暁新世と始新世には、カジキ、マグロ、ウナギ、ヒラメが出現した。 古第三紀には昆虫にも変化が見られた。アリの多くは白亜紀から生息していたが、始新世になるとアリは多様化しより優勢となった。チョウも多様化し、これは植物の葉を食べる昆虫が絶滅によりいなくなったためと考えられている。高度な巣を作る技術を持つシロアリもこの時から地位を高めていった。
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