生き延びたシアーズ~夕食にて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
「戦場にかける橋」の記事における「生き延びたシアーズ~夕食にて」の解説
命を落としたと思われていたシアーズだが、奇跡的に一命を取り留めていた。だが、携帯していた水筒の中身は既に尽き、灼熱の太陽の下をただ当ても無く彷徨い続けていた。すると、シアーズはある小さな集落を発見した。安心したのか彼はその場に倒れ込み、集落の人々に保護された。 そのころ収容所では斉藤が、一向に捗らない建設工事の指揮者である三浦中尉を激しく叱責していた。収容所の前に整列させたイギリス軍兵士らの前に立った斉藤は、「建設工事が進展しないのは将校が労役に参加しないからである」とイギリス軍を責める一方、工事指導の稚拙な三浦にも非があることを認め、その解任を発表した。そのうえで明日からは自身が工事の指揮を執ると述べた。しかし斉藤が指揮者となった翌日以降も順調に工事が進むことはなかった。 ある夜、斉藤は夕食の場にニコルソンを呼び出した。斉藤はコンビーフやウィスキーをふるまおうとするも、ニコルソンはこれを拒んだ。自らの生い立ちを淡々と語り始める斉藤にニコルソンは、「貴方のこれまでの身勝手な行動に関する報告書を作る」と迫った。しかし斉藤は、「工事期限が12週間後に迫っており何としても人手が欲しい」と強調。それでもニコルソンは将校の労役を拒否し、お互い妥協することはなかった。 「万が一工事期限に間に合わなければ、捕虜を全員殺したうえで自らも命を絶たねばならない」と告白する斉藤にニコルソンは、「日本人よりもイギリス人の指揮官の方が遥かに捕虜の士気を高めることができる」と言ってのけた。激高する斉藤であったが、自らの指揮下で工事が進んでいない故、「イギリス人は、負けておきながら強情で誇りを持たないから、嫌いだ」と罵倒するしかなかった。
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