理数系や科学との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 22:20 UTC 版)
哲学者の仲島陽一が言うには、ニーチェは医療科学や自然科学を引き合いに出すことで自らの主張に「根拠付け」しようとしており、例えばニーチェは次のようにも記している。 医師であること、情け容赦なくやること、メスを振るうこと、 ―― これぞ私達のなすべきことである。 教育学者・教育哲学者の菱刈晃夫によると、ニーチェ、マルキ・ド・サド、ショーペンハウアー等やその流れを継ぐ思想家たちの共通点は、自然法則や自然科学を重視して、信仰や伝統を批判する点である。チャールズ・ダーウィンたちによれば、自然および「自然の手先」である生物(人間)に、「善」や「悪」のような倫理的価値は全く無い。自然も生物も、ただ科学的に「あるがゆえにある」だけであり、この認識はニーチェたちが広めた思想にも共通している。 「進化論」および「種の起源」も参照 外科医・科学者のロバート・ウィンストンによれば「自然淘汰のプロセスに倫理的価値があるわけではない。自然淘汰は、その本質から言って、倫理的に良いも悪いもなく、ランダムな突然変異にもとづくプロセスである」。 人間は機械的な自然淘汰の産物であり、そのためニーチェ流の思想家たちは人間を「自然の手先」と呼んだ。これは、進化生物学者リチャード・ドーキンスが人間を含め生物を「遺伝子の乗り物」と解説したことに類似している。
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