球持ち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 05:54 UTC 版)
マウンド上の投手板とホームベース間の距離は公認野球規則により18.44mと定められているが、実際には18.44mの距離から球は放たれず、投球動作に伴いリリースポイントはホームベース寄りに近付くのが一般的である。リリースポイントが打者に近いほどボールの飛行距離は短縮され、それによりリリースから速く打者に到達する。これを「球持ち」が良いと表現し、投手は少しでもリリースポイントを打者寄りにするため、体の開きを抑え、球を長く持つようにするといった工夫がなされる。より打者にリリースポイントを近付けるには基本的に身長が高く手足が長い方が有利である。 ただし、リリースが早いからといって必ず不利ということはなく、MLBでクローザーとして活躍した上原浩治はリリースが非常に早い。上原はNHK BS1の番組『球辞苑』で取材を受けた際に「球持ちはいい悪いではなく長い短いで表現すべき」「球持ちが短くても不利になることはない」と持論を述べている。 また、グラブや自身の体を使う、体の開きを遅らせるなどでリリースポイントを遅くまで見えないようにすることにより、打者が球を見られる時間を減らし体感速度を上げる、打者にタイミングを取らせにくくすることも打者を打ちにくくする事に有効である。このような球の出処が見にくいことをメジャーリーグでは「スモーキー」などと呼ぶ。
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