王座の左右と内部の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 06:28 UTC 版)
王座に座すマリアの左右には最初マギー や天使 、次いで様々な聖人たちが描かれる。最初は王座と周囲を仕切る境界、枠が明確。 次いで中央の聖母子と左右の聖人との間で、枠状の仕切りがなくなり両者が意味上も同一空間内に置かれるという変化が起こる。こうした、聖人が聖母子と同列に描かれている図像タイプを聖会話(サクラ・コンヴェルシオーネ)と呼ぶ。両者が精神的に会話を交わしているように感じられるからである。祭壇画の主要形式であり続けたのは依頼主(修道会や後には富裕な個人)と関係の深い聖人を配するのに都合のよい形式であったからである。 もうひとつ王座自体、というより「王座としてのマリア」自体の変化がある。「開くマリア」像は観音開きに内部が開く彫像で土俗的な印象が強い。懐妊時期のマリアを描く図像では御子イエスが胎内に描かれるがそれとはまた違う図像である。マリア内部に聖遺物や神が含まれるとその姿は非キリスト教の女神像に似てくる。そこで「黒い聖母 (マリア)」という、非キリスト教的要素の強い図像もこの下位区分に分類した。 Iconclass 分類は 11F6 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物が伴うか周囲にいる11F62 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物が伴うか周囲にいる:特別の図像タイプ11F621 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物がいる: 「天の女王」「天使の女王」「マエスタ」 それぞれ別タイプ
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