特殊基準面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 04:55 UTC 版)
特殊基準面とは、河川あるいは水系ごとに定められたゼロ点である。 近代測量が始められた明治初期に河川ごとに定められたものの名残である。明治後期以降は、ほとんどの河川では"T.P."を基準とした測量が行われるようになったが、いくつかの河川ではなお、特殊基準面が使われている。混乱を防ぐために特殊基準面を使用する場合は、測定値に添え字を行う。 主な特殊基準面を以下に示す。末尾数値はT.P.との差である(マイナスの数値は、特殊基準面がT.P.より低いことを示す)。 大阪湾最低潮位(Osaka Peil : O.P.)淀川:-1.3000メートル 大阪湾における工事の基準面として用いられる。 明治期には、-1.0455メートル → 1953年(昭和28年)には、-1.2000メートル → 1963年(昭和38年)には、1.3000メートル と変遷している。 利根川(Y.P.):-0.8402メートル 利根川水系では江戸川工事基準面(Yedogawa Peil:Y.P.)が用いられる。これは千葉県浦安市堀江にある江戸川(江戸川は利根川水系に属す)河口水位を特殊基準面とし、同一水系内の量水標の0メートルとしている。例えば、千葉県の印旛沼の水位は"2.3 m Y.P."などと表記される。 荒川、多摩川(Arakawa Peil : A.P.):-1.1344メートル 荒川水系では中央区新川2丁目地先に設置された霊岸島量水標の最低潮位を基準としている(A.P.(Arakawa Peil))。 豊平川内 豊平川河川敷上 荒川工事基準が表示されたプレート(千住郵便局電話事務室) 江戸川区役所前のA.P.指標
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