片利共生の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/28 16:20 UTC 版)
片利共生に含まれるものの中には、長期間依存関係が続くものから、短期間の共生関係で終了するものまでさまざまな種類がある。 便乗(Phoresy) 単に移動するためだけに、ある種が別の種にくっつく関係。この例としては、昆虫(甲虫、ハエ、ハチなど)にくっつくダニや、哺乳類や甲虫にくっつくカニムシ、鳥にくっつくヤスデなどがある。この便乗は、必ず行われる場合と環境条件次第で行われる場合とがある。 着生(Inquilinism) 別の生物を住処として生活するタイプの片利共生。木に着生するランの仲間や、木のほらに住み着く鳥などが例として挙げられる。 変態共生(Metabiosis) より間接的な片利共生の種類で、ある種の死骸などを別の生物が利用する関係。例として、巻き貝の殻を利用するヤドカリなどが挙げられる。 また、ヒトとヒトの腸内細菌は片利共生であるとする考え方もあるが、広く認められるには至っていない。そもそも、利益を得ていない方の生物にとって、片利共生は害のない関係である、という考え方を疑問視する学者もおり、単に相利共生か寄生関係にあるのを見逃しているにすぎない、という意見もある。 たとえば、着生植物が木に張り付いて生活することで、ホストの木が着生植物の葉に覆われて光合成率が下がる、ということもありえる。もしそうだとすると、着生植物はホスト植物にとって「栄養を奪い取る盗賊」であるともいえる。この場合この関係は、片害共生ということができる。 同様に、ハエにくっついて移動するダニは、ハエの飛行の邪魔になっているとも考えられる。ダニによってハエが飛行するのに余分なエネルギーがかかるとすると、これも片害共生といえる。
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