爆撃誘導員
陸上からレーザー目標指示装置などを用いて敵の部隊や基地などの位置を特定することにより、航空機による爆撃を誘導する兵士のこと。爆撃誘導員の投入により、誘導爆弾の命中率は格段に向上するといわれている。
爆撃誘導員の任務は、敵地に潜入して攻撃目標に接近する必要があることから、困難で危険度が高いと見なされている。米軍には、爆撃誘導員と同様の任務を行う「コンバット・コントローラー(Combat Controller)」が配置されているが、2012年1月には、攻撃目標の敵兵から僅か120メートルの位置まで接近し、爆撃誘導を行ったコンバット・コントローラーが、危険を顧みずに任務を達成したとして表彰された出来事があった。
2014年3月に政府は、陸上自衛隊で爆撃誘導員の養成を行う方針を発表した。陸上自衛隊の爆撃誘導員は、航空自衛隊のF-2戦闘機から発射されるJDAM誘導爆弾の誘導を行う予定である。爆撃誘導員は、2030年度までに創設が予定されている水陸機動団の一員として、離島奪還などの任務に参加することが想定されている。
2014年1月の政府発表では、爆撃誘導員の養成は航空自衛隊第3航空団隷下の航空支援隊で行う予定であったが、より陸上戦闘に長けており、早期育成が望めるとの判断から、陸上自衛隊で養成が行われることになった。
爆撃誘導員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 10:17 UTC 版)
「陸上自衛隊水陸機動教育隊」の記事における「爆撃誘導員」の解説
陸上自衛隊ではF-2戦闘機から投下されるレーザーJDAMを地上から誘導するために、アメリカ空軍の統合末端攻撃統制官(JTAC)のような爆撃誘導要員を育成するとしており、この誘導員を水陸機動団に優先配置することを検討していると報道されている。2013年に日米合同で実施された「ドーン・ブリッツ2013」演習では護衛艦「あたご」からの艦砲射撃を米海兵隊の「航空艦砲連絡中隊(ANGLICO)」の協力の下で観測する訓練も行われている。2017年の富士総合火力演習の後段では、模擬爆撃ながらも火力誘導班が初登場し、模擬誘導を行っている。
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