熱および内部エネルギーとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/19 06:09 UTC 版)
「温度によるエネルギー」の記事における「熱および内部エネルギーとの関係」の解説
熱はより熱い系(物体)からより冷たい系(物体)へ自発的に伝達されるエネルギーである。熱はエネルギーの移動の形式であり、系の中に存在するものではない。熱は系の境界内にも含まれない。一方、内部エネルギーは系の性質である。理想気体において、内部エネルギーは気体粒子の運動エネルギーの統計的平均であり、この運動が系の境界を越える熱の伝達の源および効果である。理想気体の内部エネルギーはこの意味において "Thermal energy" と考えることができる。この場合、しかしながら、thermal energy と内部エネルギーは同一である。 理想気体よりも複雑な系(実在気体など)は相転移を起こす。相転移はその温度を変化させることなく系の内部エネルギーを変化させる。したがって、thermal energy は温度だけで定義することはできない。Thermal energy は内部エネルギーと系内外の総熱移動との差によって定義することもできない。これは、系が寸分違わぬ状態で始まり終わるが、このサイクルの間に熱が出入りする正味の流れが存在する熱力学サイクルを構築することは容易だからである これらの理由から、系の thermal energy の概念は明確に定義されておらず、熱力学では使われない。
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