測定技術と解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 05:36 UTC 版)
適切な機器を使用するためには、ユーザーは遭遇する放射線の種類を認識していなければならない。さらに複雑なのは、2種類以上の放射線が存在する「混合放射線場」が存在する可能性があることだ。多くの機器は、アルファ線とベータ線、ベータ線とガンマ線など、2種類以上の放射線に反応するため、オペレーターはこれらを識別する方法を知っていなければならない。手持ちの機器を使用する際に必要なスキルは、機器を操作するだけでなく、放射線の被曝率や検出された放射線の種類などの結果を解釈することである。 例えば、ガイガー管を使用した機器では、アルファ線とベータ線を区別することはできない。しかし、適切な計数効率を得るためには、通常、検出器の管がアルファ線源から10mm以内になければならないため、検出器を放射線源から遠ざけると、アルファ線の減少が明らかになる。オペレーターは、アルファ線とベータ線の両方が存在することを推測できるようになる。同様に、ベータ/ガンマガイガー測定器の場合、ベータ線のエネルギーによっては、ベータ線が数メートルの範囲に影響を及ぼすことがあり、ガンマ線だけが検出されているという誤った推測を生む可能性があるが、スライディングシールドタイプの検出器を使用する場合は、ベータ線を手動で遮蔽して、ガンマ線の測定値だけを残すことができる。 そのため、ルーチンチェックでアルファ線とベータ線のエミッターが同時に出てくるような場所では、アルファ線とベータ線を識別できる二重蛍光体シンチレーションプローブのような機器が使用される。このタイプのカウンターは「デュアルチャンネル」と呼ばれ、放射線の種類を識別し、それぞれの放射線を別々に表示することができる。 しかし、シンチレーションプローブは、高いガンマ線バックグラウンドレベルの影響を受ける可能性があるため、熟練したオペレーターが機器が補正できるようにチェックする必要がある。一般的な手法としては、アルファ線やベータ線のエミッターに近接した場所からカウンターを取り除き、ガンマ線の「バックグラウンド」カウントを可能にすることである。その後の測定では、このカウントを差し引くことができる。 線量調査では、ガイガーカウンターは放射線源の位置を特定するためだけに使用されることが多く、その後、より正確な測定を行うために、精度が高く、より高い線量率をカウントできる電離箱機器が使用されている。 以上のことから、機器の機能や操作方法には様々なものがあるが、信頼できる結果を得るためには、熟練したオペレーターによる使用が必要である。英国安全衛生局(英語版)は、対象となる用途に適した機器の選択、およびそのような機器のケアと使用に関するガイダンスノートを発行している。
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