浮上・案内
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 16:46 UTC 版)
浮上・案内には電磁吸引制御式が採用されている。HSSTの特徴でもあるが、1つの機構で浮上力と案内力を兼用して発生させる方式である。軌道側に鉄製の浮上案内レールが下向きに取り付けられており、車両側には、モジュールによりレールを抱きかかえる形で取付けられている電磁石がレールと対向している。この電磁石がレールを吸引する力により浮上力を得る。この方式で安定した浮上力を得るためには、レールと電磁石の間のギャップを常にギャップセンサにより測定し、毎秒4,000回の演算を行い常時一定の間隔を保つように電磁石を制御している。HSST-100で電磁空隙は約8 mm、浮上量は約6 mmである。 また、レールおよび吸引磁石は車両進行方向に対して共にU字型をしており、レールと吸引磁石のU字の頭が互いに対向するように配置される。このU字部分の頭頂部に一致するように横向きの力が働くが、これが案内力となる。 電磁吸引制御式の特徴として、浮上磁石が鉄レールを引き付ける際に、磁界の影響で鉄レール内にはうず電流が発生する。このうず電流と浮上電磁石との間には車両を制動する方向に力が働く。これを回避するためには、磁束密度を低くし代わりに広い面積で車体の浮上を支えることが有効である。HSSTではモジュール(後述)構造により車両長さ方向をほぼカバーするように浮上磁石を配置している。
※この「浮上・案内」の解説は、「HSST」の解説の一部です。
「浮上・案内」を含む「HSST」の記事については、「HSST」の概要を参照ください。
- 浮上・案内のページへのリンク