浦間茶臼山古墳とは? わかりやすく解説

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浦間茶臼山古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 15:49 UTC 版)

浦間茶臼山古墳

全景
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
所在地 岡山県岡山市東区浦間
位置 北緯34度42分36.2秒 東経134度4分1.3秒 / 北緯34.710056度 東経134.067028度 / 34.710056; 134.067028
形状 前方後円墳
規模 墳長138m
前方長61m
後円部径81m
後円部高13.8m
埋葬施設 竪穴式石室
出土品 埴輪・細線式獣帯鏡片・銅鏃・鉄鏃・鉄刀・鉄剣・鉄のみ・鉄斧・ヤス等
築造時期 3世紀末
史跡 国の史跡
地図
岡山県岡山市東区浦間
岡山県内の位置
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浦間茶臼山古墳(うらまちゃうすやまこふん)は、岡山県岡山市東区浦間にある古墳。形状は前方後円墳である。国の史跡に指定されている[注釈 1]

概要

古墳時代前期の3世紀末に築造されたと考えられている。古代吉備最古の大型前方後円墳の一つである。全長は約138mで、前方部は長さ約61m、後円部は径約81m・高さ約13.8m。前方部は畑として開墾され、現在はが植えられて公園となっている。後円部は竹藪と北側に墓地がある。古墳の東側と南側には住宅団地が迫っている。古墳は本来の姿から変形しており規模は推測の域を出ない。前方部が北東を向き頂部は後円部頂部より約4m低くなっている。前方後円墳としては最古の形式であり、奈良県桜井市にある箸墓古墳の約二分の一の規模で形が酷似しているとの指摘もある。

後円部は3段となっていることが確認できる。頂部は平坦であり中央に乱掘坑が残っている。前方部は前述のように畑として削平されているため何段になっていたのか不明である。墳丘には角礫による葺石が確認されており、都月型円筒埴輪の破片が採取されている[注釈 2]

1988年近藤義郎を団長に発掘調査が行われた。後円部の乱掘坑を掘り下げると、深さ2.5mの位置に板状の安山岩を積み重ねた内法の長さ7m・幅1.2mの竪穴式石室が検出された。この安山岩の石材は、香川県北部または備讃瀬戸の島から採取されたものと推測されている[1]


石室の上部は破損していた。赤色顔料が含まれた粘土が敷かれた床部から、割竹形木棺が納められていたと推測されている。明治時代盗掘され副葬品は概ね持ち去られていた。しかし、細線式獣帯鏡片、銅鏃・鉄鏃鉄刀鉄剣など武器類、鋤先など農具類、鉄のみ・鉄など工具類、ヤスなど漁具類が出土した。

1961年当時の浦間茶臼山古墳
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

前方部の南東に陪塚と思われる大型の円墳があったが宅地造成の際に破壊されている。

造営時期

奈良県桜井市箸墓古墳京都府木津川市椿井大塚山古墳、奈良県天理市黒塚古墳などとともに出現期古墳と総称される[2]。なお、浦間茶臼山古墳、黒塚古墳、椿井大塚山古墳は箸墓古墳のちょうど2分の1に企画された前方後円墳である可能性が高いと考えられている[2]

画像

脚注

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注釈

  1. ^ 昭和49年(1974年)11月25日指定
  2. ^ 都月型円筒埴輪は、最古様式の円筒形埴輪で直線と曲線の特徴的な模様が描かれている

出典

参考文献

関連項目





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