段階的発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/10 16:08 UTC 版)
「政治経済学の国民的体系」の記事における「段階的発展」の解説
経済発展が段階的に前進することを指摘している。つまり農業が基盤にある経済で工業が確立されるためには科学技術の知識が導入されなければならず、また生産手段を準備する必要もある。つまり産業として工業が自立するためには時間がかかる。これをリストは「幼児や少年が格闘で強壮な男子に打ち勝ちがたい」と述べており幼稚な産業を自由競争に晒せば発展が阻害されると考えた。リストは経済発展のモデルとして未開状態、牧畜状態、農業状態、農工業状態、農工商業状態の五段階を提示した。まず農業によって国家の経済的基盤を確立すれば、工業を振興するための条件を整えることができる。ただし工業の発展のためには知識、技能、熟練が必要であるために政府によって保護しなければならない。重要なことは工業を育成することであり、国内の工業が需要に対する供給能力を備えれば、保護関税は段階的に廃止する。最終的には自国の工業が自由貿易によって駆逐されない程度に発展すれば、貿易の制限を撤廃することもできる。
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