段階的曝露療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 03:18 UTC 版)
治療法の例として段階的曝露療法がある。これは、不安のある場面・状況で話してみることができるよう適切にサポートし、本人が「話してみたら実際は大丈夫であった・話してみたら楽しかった」「はじめは不安が強かったが、話してみると徐々に不安も収まっていった」という気付きを得られるよう支援する技法である。本人の気持ちを尊重しながら、話すことに対する不安が比較的少ない場面からはじめ、段階的に不安の大きな場面に移行していく。話すことに対する不安が比較的少ない場面から始めるのは、成功体験を得て自信を持ってもらうため、そして新しい人や場面で話しても恐れていることは起こらないということを実体験を通して気づいてもらうためである。また、不安が比較的大きな場面へのチャレンジを行う際は、あらかじめ本人と支援者でロールプレイをしてリハーサル(練習)をしておくことも可能である。 上記の段階的曝露療法において、どのような段階でも、発話ができた場合に支援者が肯定的なフィードバック(承認・称賛・好きなものを与えること等)をすることが必要である。また、発話できなかったとしても責めてはならず、声を出そうとしていたり、一瞬でも声を出せたり、小さな声やささやき声でも何か発話できたりしたら、そのようなことを大きな一歩として認め褒めていくことが重要である。 なお、社交不安症や分離不安症が併存する場合の治療法については、「社交不安症#治療」・「分離不安症#治療」も参照されたい。
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