歴史編集のリサーチプログラム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 22:32 UTC 版)
「ラカトシュ・イムレ」の記事における「歴史編集のリサーチプログラム」の解説
1973年の小論「科学史とその合理的再構成(History of Science and Its Rational Reconstructions)」 で、ラカトシュは科学的方法の様々な理論を評価するための弁証法的・歴史編集的なメタ-方法を提言している。具体的には、一方では実際の科学史と科学革命を説明する上で、もう一方では筋の通らないとりとめのない情報の集まりにすぎないものより以上のものとして科学史を合理的に再構成するための歴史編集的な枠組みを与える上で、成功したかどうかを比較するという方法によって科学的方法の理論が評価される。小論は「科学史を欠く科学哲学は形ばかりのものであって実質的内容がない。哲学を欠く科学史は具体的事例に拘泥するばかりで展望がない(Philosophy of science without history of science is empty; history of science without philosophy of science is blind.)」という有名な言明で始まっている。 とはいってもラカトシュ自身も彼の共同研究者も、あらゆるラカトシュの基準―あるプログラムが新しい事実を予測することに成功しているなら一方でそれに競合するプログラムは退行している―が満足されるまさにその時に科学革命の中で科学者の社会のうち大多数が変わっていくことを示すことによって上の言明の前半を立証することに今まで成功していない。実際、1970年の歴史的事例研究「批判主義と科学的リサーチプログラムの方法論(Criticism and the Methodology of Scientific Research Programmes)」において彼は公然と「この論文で私の言いたかいことは、歴史性をゆるがせにせず実際の歴史と合理的な再考性を比較することの第二段階に真剣に突き進むことだ」といったことを述べている。
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