歴史的な値および不正確な値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 00:05 UTC 版)
距離の単位として、「光年」を初めて使用したのは、ドイツ人のオットー・エドゥアルト・ヴィンツェンツ・ウレである。ウレは1851年の著作、Deutsches Museum: Zeitschrift für Literatur, Kunst u. Öffentliches ..., Volume 1の中で、初めて「光年」(ドイツ語ではlichtjahre)を距離の単位として用いた。なお、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルは1838年にはくちょう座61番星までの距離を、「光が1年間に通過する距離」の10.3倍(最新の観測では11.4光年)であることを見いだしたが、「光年」という単位を用いたわけではない。 国際天文学連合 (IAU) は1964年に定めた太陽年(ユリウス年とは異なる)と光速の実測値(定義値ではない)を天文定数(英語版)体系に含めており、それを1968年から1983年まで使用していた。サイモン・ニューカムは、J1900.0の平均太陽年 31 556 925.9747 暦表秒と光速度 299 792.5 km/s から1光年を 9.460 530×1015 m と計算した(光速度の有効数字7桁で丸めている)。この値がいくつかの最近の文献にも記載されているが、おそらく1973年の有名な本を参照したものと思われ、この文献は2000年まで改版されていなかった。 他の高精度の値は一貫したIAU体系のみからでは導出できない。9.460 536 207×1015 m という不正確な値がいくつかの現代の文献に見られるが、平均グレゴリオ年365.2425日(31 556 952秒)と光速度の定義 (299 792 458 m/s) を使って計算したものであろう。9.460 528 405×1015 m という不正確な値もあるが、これはJ1900.0の平均太陽年と光速度の定義を使って求めたものであろう。 現在では1光年の値は天文定数からは除外されている。
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