歴史の中でのADFGVX暗号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/04 14:30 UTC 版)
「ADFGVX暗号」の記事における「歴史の中でのADFGVX暗号」の解説
19世紀の中頃、バベッジ(1854年頃、ただし公表されなかった)とカシスキー(1863年に出版)によってヴィジュネル暗号の解読法が明らかにされてから、絶対安全な暗号というものはなくなってしまった。19世紀末に発明された無線通信は安全な暗号の要求を高めたが、20世紀になっても19世紀的な暗号手法を組み合わせた方式が使われ続け、しかもその多くは時間の問題で、解読されていった。この状況は1915年〜1918年頃に各国で機械式暗号が発明されるまで続く。暗号の歴史については暗号史を参照。 第一次世界大戦中に使用されたADFGX/ADFGVX暗号もそのような解読された暗号の一つとして有名である。 ADFGX暗号がドイツ軍に採用されたのは、1918年にはじまるドイツ軍の大規模攻撃(3月21日)の直前のことである。ドイツ軍は換字式、転置式を組み合わせたこの暗号を安全なものと信じて採用した。 しかし、フランスの暗号解読者ジョルジュ・パンヴァンは、数ヶ月の努力によってADFGX暗号の解読に成功した。するとドイツ軍はADFGX暗号を改良したADFGVX暗号を導入し、再び解読できなくなった。1918年6月、ドイツ軍はパリから100キロまで迫っていた。兵力も十分。連合国側の最後の望みはADFGVX暗号を解読し、ドイツ軍の攻撃目標を見つけることであった。6月1日、パンヴァンの元に暗号文が届けられると、翌日の夜には解読成功。ドイツ軍の猛攻をしのぎ、撃退することができた。
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