歌集出版までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 01:52 UTC 版)
『冬鶯集』は白秋からの慫慂を受けて出版されたものであるが、長男の戦死や妻の急死、八王子空襲などの影響により、企画立案から出版までには20年の歳月を要した。空襲で住宅と蔵書一切を焼失した牧春は知人宅を転々とする生活を送り、第二次世界大戦終戦直後には立川基地に人夫として駆り出されるという屈辱を味わった。このような経緯から、『冬鶯集』は戦争を題材とした作品が多数収録された歌集となっている。当時について牧春は、「冬鴬集後記」の中で、「戦傷に血を吹く心を作歌によってのみ慰め得た時代である」と語っている。また、同歌集について多摩文化研究会創立者の鈴木龍二は、その著書『武州八王子史の道草』の中で、「これは短歌作品による私達の郷土、壊滅した八王子の戦災史である」と述べている。
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