次元が低い、余次元が低い場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 07:39 UTC 版)
「ホッジ予想」の記事における「次元が低い、余次元が低い場合」の解説
ホッジ予想の最初の結果は Lefschetz (1924) によって提供された。実際、この論文はホッジ予想に先行していて、ホッジ予想の成立にいくつかの動機をもたらした。 定理 (レフシェッツ(1,1)-クラスの定理(英語版)) H2(X, Z) ∩ H1,1(X) の任意の元は、X 上の因子のコホモロジー類である。特に、H2 について、ホッジ予想が成立する。 層コホモロジーと指数完全系列を使うと、このことが非常に簡明に証明できる。(因子のコホモロジー類は第一チャーン類に等しいことが分かる。)レフシェッツの元々の証明は、ポアンカレ (Henri Poincaré) により導入された正規函数 (normal function) を使い、成し遂げられている。しかし、グリフィス横断性定理(英語版)は、このアプローチでは余次元が高い部分多様体に対しては、ホッジ予想を証明し得ないことを示している。 強レフシェッツ定理により、 定理 次数が p < n であるホッジ類に対しホッジ予想が正しいとすると、ホッジ予想は次数が 2n - p のホッジ類に対して正しい。 が証明される。上記の2つの定理を結び合わせると、ホッジ予想が次数 2n − 2 のホッジ類に対して正しいことが証明される。このことによって X の次元が高々3のときにはホッジ予想が正しいことが証明できる。 レフシェッツ(1,1)-クラスの定理は、もしすべてのホッジ類が因子のホッジ類によって生成されるとするならば、ホッジ予想が成り立つことを意味する。 系 代数 Hdg ∗ ( X ) = ∑ k Hdg k ( X ) {\displaystyle \operatorname {Hdg} ^{*}(X)=\sum \nolimits _{k}\operatorname {Hdg} ^{k}(X)} が Hdg1(X) により生成されるとすると、X に対しホッジ予想が成り立つ。
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