欠陥救済
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 03:25 UTC 版)
ダイ面積の大きい超大規模集積回路では、チップ上に一つも欠陥がない完璧な製品を作ることは非常に難しい。そこで、設計段階で予備の回路を前もって追加し、ウェハーテストで不良が検出されたときにそこを予備回路で補うことで歩留まりを上げる救済が行われる。回路の切り替えは、回路上に形成されたヒューズを、レーザーまたはウェハーテスト中に電流を流して切断することで実現している。 DRAMやフラッシュメモリでは、製品で決められた容量に加え予備のメモリ領域を用意しておき、不良箇所をテストで見つけた時点で配線のヒューズを切り予備領域に切り替えることが一般的に行われる。また、CPUでオンダイのコプロセッサや、マルチコアプロセッサの各コアなど、その内部に不良があった場合にはそれを切り離して、ラインナップ中の低グレードの製品とする、あるいは最初から全てが機能することは期待しない、といった手法もある。例えば、CellプロセッサはSynergistic Processor Element(シナジスティック・プロセッサー・エレメント)をマスクパターンとしては8個用意しているが、ゲーム機PlayStation 3では、使用可能なSynergistic Processor Elementを7個に設定し、不良コアが一つ発生しているダイでも利用可能とした。
※この「欠陥救済」の解説は、「集積回路」の解説の一部です。
「欠陥救済」を含む「集積回路」の記事については、「集積回路」の概要を参照ください。
- 欠陥救済のページへのリンク